前復興相の辞任劇では、
「知恵を出さないやつは助けない」
という発言が、
被災者への冷たさを語るものとして、
しきりにメディアで取りざたされた。
しかし、メディアによって編集される前の映像をよく見ると、
「知恵を出さないやつは助けない」
のあとに
「くらいの気持ちで」
と彼は早口でつけくわえている。
この部分が、あるのとないのでは、
だいぶ意味合いがちがってくる。
叩くメディアも叩くメディアだな、という感がある。
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たしかに
「長幼の序」だの
「私は九州の人間だから」だの
「私はB型だから」だの
おかしなことをたくさん言い、
やや多弁で、パフォーマンスに酔っていたきらいはあるが、
だからといって、
「スピード感を持って」
わずか9日間で辞任し、
軽度の躁(そう)状態で入院
……というのはいかがなものか。
あんなもので、はたして「軽度の躁状態」なのか。
病名などというのはいくらでもつく、
ということをあらためて私たちに示してくれた辞任劇であった。
今度、誰か政治家が国会答弁で答えられなくなったときは、
ぜひ
「いや、私は軽度の鬱(うつ)状態でして……」
と言ってほしいものだ。