自助グループ |
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自助グループ(self-help group)とは、何かしらの問題や悩みを抱えた人が、同じような問題を抱えている人とつながり、運営している集団のことです。英語をそのままカタカナ書きにして「セルフヘルプ・グループ」とも呼ばれます。 共有する問題のことを、そのグループの「テーマ(theme)」または「主旨」といい、テーマに沿ってそのグループを運営することでメンバーが体験や感情、または言葉など表現の仕方を分かち合うことを目的とします。 分かち合うことを「シェアする(to share)」と言い、シェアする対象は経験と希望と勇気、英語ではエッシュ(ESH / experience 経験, strength 力, hope 希望)と表現されたりします。 ここJUSTでも、本サイトの「グループ一覧」にあるように、多彩な自助グループが活動しています。たえず新しいグループが生まれ、古いグループが消えたりしていますから、その時々の最新の情報をごらんください。 テーマとなる問題を抱えた本人のことを日本語では「当事者」と呼びます。 当事者のためのグループ、当事者の家族のためのグループなど、いろいろありますが、いずれの場合もその問題の専門家にグループの運営を委ねないで、自分たちの力で運営していることから「自助」といいます。その意味では、治療者との関係を重視したり、専門家に運営を任せる「治療グループ(treatmental group)」と区別されることがあります。 1930年代のアメリカでアルコール依存症者たちが始めたグループに発祥を考え、そのシステムに学び、のちに薬物、摂食障害、ギャンブル、恋愛、セックス、仕事など多方面の嗜癖をテーマとして発展してきた、というのが定説です。けれども、じっさいにはアメリカ以外、日本を含めて、人間の社会生活が営まれてきたところにはほとんど今日の自助グループの原型にあたるようなものは探り当てることができるのではないでしょうか。 グループの中では、互いに社会的な役割と無関係に問題に向き合えるように実名を伏せて、アノニマス・ネーム で関わりあうことが多いことから、匿名グループ(アノニマス・グループ)と呼ばれることもあります。 自助グループは、古くからある精神医療の至らないところへの反省から生まれてきたものです。 昔ながらの医師と患者との関係は、良いところもありますが、基本的に治療者が患者を監視するものであり、支配する者とされる者との関係におちいりやすいものです。 自助グループでの回復を必要とする人は、たいてい「必要とされる必要」に飢え、その場の関係に過剰適応してしまうという問題を持っているので、それでは必ずしも良い経過をたどりません。 そこで、参加者の皆が平等であるような「自助」の場が模索されてきました。 自助グループとは、一つの思想でもあります。 ここで人々は新しい考え方と、新しい言葉に出会い、それまで自分が表現できなかったものを表現していくことによって、新しい自分に出会うのです。 |