共依存 |
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共依存(きょういぞん / co-dependency )とは、お互いに依存しあい、力をそぎあう人間関係のことです。 「人はひとりでは生きていけないのだから、誰かと依存しあうのはよいことではないか」 と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、共依存は、お互いが自分にできることを決めて、主体的に助け合う相互協力(そうごきょうりょく)とはちがって、主体的になれない大人二人がお互いを支配しあいながら結びついている負の関係のことをいいます。 つまり、相手に自分を頼らせることで相手を支配しようとする人と、その人に頼ることでその人の自由を奪おうとする人との間に成り立つ関係であり、そこでは二人はお互いに相手の生きる力をむさぼりあうので、両者ともに疲れ果てていきますが、それでも別れようとはしません。いわゆる「憎み合いながら離れられない」「軽蔑しあいながらも、一緒にいないとさびしい」「愛憎劇」といった状態です。 共依存の核には、他者をコントロールしたいという支配欲があります。 こうした人間関係そのものが嗜癖の一つ、関係嗜癖の典型例でもあります。 この語は、もともとアルコール依存症者の配偶者や子どもたちに接する治療者たちのあいだで使われたのが起源とされています。やがてこの語は、自助グループを通じて社会に広まっていきました。しかし、依存症や家族療法に詳しくない人は、たとえ医師やセラピストであっても、いまだにこの言葉の意味をよく知らないというのが現状のようです。 |