依存症 |
---|
依存症(いぞんしょう / dependency syndrome, morbid dependence, habitus)とは、ある種の快感をもたらす行為を学習し、それが嗜癖となり、繰り返しおこなった結果、それによる刺激をもっと体験したくて我慢ができなくなっていき、本人の健康を害したり、周囲に迷惑をかけたり、社会的な信用を落とすようになっている状態で、病気の一種です。 依存対象によって物質嗜癖、過程嗜癖、関係嗜癖などに分けられます。 依存と依存症との境目は、「病気とは何か」を考えることにつながる、たいへん難しい問題ですが、たとえばわかりやすい例として、健康のためにある薬をのんでいる状態は、「その薬に依存している」と表現されますが、その薬をのむことによって健康が悪化するにもかかわらずのみつづける場合は依存症です。 . 日本の精神科医、齊藤學(さいとう・さとる)によれば、依存症とは、 (1)反復性 という6つの特徴を満たす、すべての行動ということになります。 依存症が形づくられるのは、脳の報酬系と呼ばれるシステムです。 ドーパミンなどの脳内物質がかかわっているために、依存症患者は衝動性(impulsivity)が強く、刺激追求(sensation seeking)が高いことが知られています。 もたらされる快感を報酬と呼び、それが得られる依存対象へ異常に執着して、そのためには他のどんな事や物を犠牲にしてもいといません。はじめに少量だけ試したときに比べて、どんどん量が多くなっていきます。これは、脳神経系の耐性と呼ばれる作用によるもので、依然と同じだけの快感を得るためには、すでに依然と同じ量では充たされないためです。 また、「自分は依存していない」「すぐにでもやめられるから大丈夫」など、自分がそれに依存していることを否認する傾向が強いことも特徴の一つです。やめたあとにはイライラする、手が震えるなどの離脱症状がやってきますから、これには治療的な対処が必要です。 世界的に見てみますと、2011年現在使われている病名の分類表、DSM-IVで嗜癖に分類されている病気は、2013年に発表される予定のDSM-Vでは依存症として再編される動きもあります。 |