習慣 |
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習慣(しゅうかん / habituation)とは、どこかで学習し、毎日または定期的に何となく繰り返している行為のことをいいます。食べること、飲むこと、歩くこと、しゃべること、そしてセックスなど、私たちの日常行動、あるいは文化と呼ばれるものは、ほとんど習慣で構成されているといってよいくらいです。厳格には精神生理学的習慣化(psychophysiologic habituation)の結果をさします。 人の習慣は、もともとその人の利益に沿うかたちで展開するはずのものですが、行動の自動化が進むうちに、その人の真の利益、もしくは長期的な視点に立ったときの利益とは一致しない習慣が出てくることがあります。「そんなもの食べてちゃ、からだに毒よ」といった食習慣がよい例です。 極端な場合には、その習慣を続けること自体が行動の目的になってしまっているような場合もあります。 習慣の中でも、それに頼り切っている場合は「依存(いぞん)」、ある有害な習慣に執着している場合はこれを「アディクション」と呼びます。 依存症の研究が今ほど進んでいなかった1970年代以前は、今日では誰もが嗜癖や依存症と考える行為の多くも、日本社会ではもちろん、国際的な基準でも「習慣」と考えられ、そう分類されてきました。たとえば、睡眠薬習慣(sleeping pill habituation)といった言い方が一般的でした。 しかし、それら習慣のために本人や周囲がこうむる害の大きさが改めて客観的に測られ、習慣と嗜癖をめぐる考え方が、大きくシフトしてきました。 |