用語集

パーソナリティ

パーソナリティ(personality)とは、人(person)がその個人固有の(personal)特性をしめしている状態のことで、精神医学臨床心理学では、人間が成長の過程において形成されていくその人らしさのことをいいます。

日本語では「人格」と訳され、そのためいまだに精神医学の用語としても、たとえば「人格障害」というように「人格」が使われることが非常に多いですが、これは正しくありません。詳しくは「人格」の項をごらんください。

パーソナリティのもとになった欧米語(英:person、独:Person)などは、ラテン語のpersona(ペルソナ)に由来し、さらにその語源はいくつかの説がありますが、古代ギリシア語のπρόσωπον(prosopon:社会的に見せている前面)であるとされているのが通説です。
社会的に見せている前面ということは、真の姿というよりも「仮面」の要素が大きいわけです。ラテン語の「ペルソナ」では「役割」「法的主体としての人」をも意味しました。
それは精神医学や臨床心理学でいうパーソナリティからしてみたら、当たらずといえども遠からず、といったところでしょう。

日本語の「性格」も、いちおう「キャラ < キャラクター(character)」という原語を飛び越えて、パーソナリティとして表現されることが多いようです。

幼児期のトラウマをふくめ、成育環境は広く人のパーソナリティの形成に影響を与えます。
パーソナリティを説明する初歩的な理論として、フロイトの「超自我(superego) / 自我(ego) / エス(id)」に分けて考える構造モデル(structural model)と、「意識(consciousness) / 無意識(unconscious / subconscious)」に分ける局在モデル(topographic model)がありますが、その後パーソナリティとその障害に関する研究は広汎に発展してきました。