用語集

治る

ふだん何気なく私たちが使っている「治る(なおる)」という言葉も、治療者から見るのと、、患者から見るのとでは、ときに大きな違いがあります。

すなわち、治療者から見たときには、治療者が「これは治った」と判断した状態、もしくはその時点での医学的常識から完治(かんち)とみなされた状態になることを「治る」といいます。

また、完治まで行かなくても、社会生活を営むのに足るだけ治った場合には寛解(かんかい)といいます。

しかし、患者本人もしくは問題行動の当事者本人から見て「治った」という状態は、必ずしもその状態と一致しません。当事者にとっては、いっこうに症状も問題も解決していない、改善していない、というように思われる場合や、ときには悪化したと感じられる場合もあります。

とくに薬物療法などで薬漬けにされて、それで治療者から「治った」と言われても、患者からしてみれば、以前はのまないですんでいた薬をのまなくてはならないようになった分だけ、生活に不快を感じる部分が増えているかもしれません。

このように「治る」という状態に治療者と患者のあいだで齟齬(そご / ズレ、行き違いのこと)が生じたときに、私たちJUSTはあくまでも、患者、当事者本人の立場に立って、何が治ることであるのか、何が治癒(ちゆ)であるのか、そしてほんとうの回復とは何か、を追求しています。