用語集

家族療法

家族療法(かぞくりょうほう / family therapy)とは、家族の誰かが心の病いにかかったり、問題行動を起こし始めたときに、その病いは、病いにかかった個人だけのものでなく、家族全体が一つの病理を持っているために、病理が個人にあらわれているものだという考えから、家族全体を治療していく方法をいいます。

たとえば、息子がひきこもりになった場合、ひきこもりになったということで息子を叱りつけても、事態は悪化するだけで、良い解決には向かいません。その家族には、息子をひきこもらせる何かがあったのです。その何かを、ここでは家族の病理と呼びます。

また、息子にしてみたら、否応なしにひきこもらなければならない環境的な事情があったことになります。
しかし、そのような事情や病理は、家族にとっては、家族の外へ出してはならない恥とされていますから、問題行動を発している当人以外は、あえて何事もなかったように暮らしています。こうした状態は否認によるものです。

すべての人間関係がそうであるように、家族も一つのシステムとして機能しています。家族の病いとは、システムが病んでいる、またはシステムが機能していない状態をいいます。

そのように、家族が健全なシステムで機能していない場合を、機能不全家族と呼びます。