自己評価 |
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自己評価(じこひょうか / self-esteem)とは、どんな自己イメージを持っているか、すなわち自分で自分をどれほどのものかと思っている度合いや形のことをいいます。自己肯定感、自尊感情などともいいます。 自尊心やプライド、虚栄心、自己卑下とは、似ていますが、それぞれ微妙に異なる概念です。 また、経営用語などで使われる自己評価(self-evaluation)はまったく別の概念です。 人は誰でも、小さい赤ちゃんのころは、この世界の中でどこまで自分なのかわかっていません。そのために、世界と自分がつながって感じられていて、世界が自分の意のままになって当然と考えています。 このような感覚を幼児的万能感といいます。 しかし、人は大きくなるにつれて、自分の意のままにならないことが多いと学んでいくようになります。これを精神分析の用語で去勢と言います。 去勢を経て、人はそれまで摂取し蓄積した情報にもとづいて、自分にはこれこれこういう素質と限界と可能性があるということを、客観的に知るようになります。それが自己評価です。 ところが、自己評価が形づくられる段階で、不適切なしつけや教育によって、あまりにも可能性がないかのような世界観を埋め込まれると、必要以上に自己評価は低い大人になります。客体優位の自己を持つアダルトチルドレンなどがこれにあたります。 自己評価の低さは、ひきこもりや自傷行為、鬱(うつ)など、さまざまな症状や、ときには犯罪などの問題行動を引き起こす原因にもなります。 自己評価は生涯を通じて変わりいくものです。それは裏返せば、人は治療や回復によって自己評価を是正しながら一生、生きていくものと考えることもできるでしょう。 適切な自己評価を持つことで、第一にメリットがもたらされるのは、自分自身です。 |