過剰適応 |
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過剰適応(かじょうてきおう / over-adaption)とは、まわりの環境に合わせすぎてしまうことをいいます。 人間にかぎらず生物は、すべて周囲の環境に自分を合わせることによって生きています。動物の保護色などがわかりやすい例ですが、それは自分の身を守るために必要です。現代社会に生きる私たち人間も、ある程度の適応は、生きていくために欠かせません。 ところが、ほんらい自分を守るための適応が、行き過ぎて自分を殺す方向へはたらくようになると、これは適応のやりすぎ、すなわち「過剰適応」です。さらに度が過ぎれば「自己破壊的同調」となります。 相手に合わせることを、有言無言に教育されたり、しつけられたりすると、必要以上に自分を殺して、まわりに合わせることしかできなくなります。 大人になっても、自分主張ができなくなり、今度はそれによって、かえって複雑な問題を引き起こす結果となります。 なぜならば、人の気配を読んだり、人の動きを気にしたり、ということばかりやっていると、それはそれで、自分が疲れ果ててしまったり、相手の調子が狂ったりして迷惑がられ、周囲と合わなくなっていくからです。 また、過剰適応している人にとっては、自分が自分を押し殺しているのと同じ分だけ、相手も自分を押し殺してくれないと怒りを持つようになります。 どこかでその怒りを爆発させ、周囲との関係を壊してしまい、それまでじっと自分を押し殺してきた成果を台無しにしてしまいます。そんなことなら、はじめから過剰適応しなければよかったのに、と反省しても「もう遅い」ということになりかねません。 自己主張のできなくて悩んでいる人々のために、たとえば私たちJUSTでは「自己主張したい人のグループ」などが運営されています。 |