精神医療 |
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精神医療(せいしんいりょう / mental health care)とは、医療の分野の一つで、心の病を治したり、心の健康を回復したりすること全般をいいます。 そこには、薬物療法のような化学的な措置から、カウンセリングのように相談援助までを幅広く含みます。そのため、精神医療はけっして一つのシステムとしてとらえられるほど単純ではありませんが、共通点としてつねに治療者と患者という関係がつきまとうという特徴があります。 こんにちの治療者-患者関係には、ほとんどの場合、きわだった上下関係はありませんが、それでもやはり、患者は自分の命や健康や人生を治療者にあずけている場合が多いので、治療者が患者を支配する危険は、つねに潜在的にあるものです。 さらに、アダルトチルドレンのように自己評価の低い者が患者であると、必要以上に過剰適応して、医師がひそかに望んでいる病状を見抜いて、それを訴えるようになってしまう傾向を持っており、かたや旧来然たる医師のように対等意識のうすい治療者や、精神医療に関心を持つような治療者の多くは、「必要とされる必要」に飢えていることが多いために、患者と医師とのあいだで簡単に支配や監視をする / されるといった関係が築かれてしまいます。 そうなると、患者の心の病んでいる部分をかえって助長してしまうことになります。 そのような反省や批判から、患者が医療以外の方法で治癒や回復を果たし、自分の精神的な健康を取り戻す方法が模索されてきました。先に回復した者が、いま症状におぼれて苦しんでいる者に救いの手をさしのべるという自助グループは、そのようにして生まれてきた成果の一つです。 このように申し上げると、あたかも精神医療と、自助グループやピア・サポートなど私たちJUSTがおこなっている活動とは、対立関係にあるかのように聞こえてしまうかもしれませんが、実際そのようなことはありません。どちらも一長一短があるので、患者またはクライエントが、主体的にそれぞれ自分の判断で、双方を自分の回復に取り入れていっているのが実情です。 |