精神医学 |
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精神医学とは、もともと近代西洋医学の分野の一つで、人のこころの動きにかかわる医学のことだけをいいました。そして、精神医学にもとづいて患者にほどこされる治療や施術などのシステム、すなわち医療のことを精神医療といいました。 しかし、20世紀の後半には、効果のある医学は西洋医学だけではないだろうとか、精神だけを身体から切り離して医学の対象とすることはできないとか、治療者ではなく患者の立場から見た成果も取り入れなくてはならないとか、いろいろな考え方が出てきて、それをまた精神医学はのみこんでいくだけの柔らかさを持てたおかげで、今ではひとくちに精神医学といっても、語る人によってさまざまな範囲を指すようになりました。 また精神医学が用いられる診療科目も、むかしは精神科ぐらいしかなかったのですが、いまでは心療内科をはじめ、心療~で始まるあらゆる科目、さらにそれ以外にも広がっています。 けれども、もしあなたが心の病にかかり、なんとかクリニックやなんとか病院にいくときには、そこで行われている医療はまちがいなく精神医学にもとづくものでしょう。 むしろ難しいのは、私たちJUSTがやっているような自助グループやミーティングの活動で、これらはいまや、効果は精神医学的にも保証されているものの、明らかに医療の一部ではないですし、精神医学そのものの一端であるかどうかは議論が分かれるところです。 だから、自助グループなどで語られる用語が精神医学で使わないことになっている場合もあり、その典型的な例が「アダルトチルドレン」です。しかし精神医学の側でも、この概念を無視して進めるわけには行かないので、とりあえず今は複雑性PTSDといった概念を用いて、体系の中へ組み入れています。 でも、もしあなたがとにかく「回復したい」「良くなりたい」のであれば、そんな難しいことにとらわれず、自分の成長に役に立つものなら何でも取り入れてさえいけば、きっとよいのでしょう。 |