用語集

関係性

ここでは、人間関係における関係性について解説しています。
関係性(かんけいせい / relationship)とは、人と人が結びついている関係のありようのことをいいます。
その関係が支配依存にもとづいているものなのか、お互いに主体的なつながりによるものなのかによって、そこに関わっている個人個人の生活や健康のかたちが異なってきます。

関係性の病として代表的なものが共依存です。
二人の関係性が病的であると、クロス・アディクションを引き起こし、多くの場合は当事者二人だけに留まらず、周りの人々を巻き込んで、さまざまな問題を引き起こしていきます。
夫婦の関係性が子どもたちの育成に深刻な影響を及ぼす家族が良い例といってよいでしょう。
精神医学は、もともと西洋医学の一分野として発展してきたわけですが、西洋医学は人間の個体を対象とし、もっと言えば「個体の身体に表出する症状」だけに焦点を当てて体系化されてきました。
そのため、患者の持つ人間関係の関係性に視野をひろげ、個体を超えた「関係性の病理」といった考え方を持つことには、大きな抵抗が持たれました。

メラニー・クライン対象関係論などを仲立ちとして、ようやく個体を超えた病理の構造が理論化されていったのですが、還元主義的な思考しかできない、いわば頭が堅くてセンスのない治療者たちには、いまだにじゅうぶんに理解されているとは言いがたい現状があります。そういう治療者たちは、どうしても薬物投与だけを精神医療と考えてしまうようです。

関係性の病を理解するのに柔軟であるのは、むしろ医学という学問領域にあまりこだわらなくてもよいコ・メディカルなどの、医師の周辺で働く医療従事者たちであり、代表的な例としてアダルトチルドレンの生みの親といわれるクラウディア・ブラックが挙げられます。