臨床心理学 |
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臨床心理学(りんしょうしんりがく / clinical psychology)とは、心理学の一つの分野である応用心理学の、これまた一つの分野であり、こころの病気、精神疾患などを扱うとともに、患者やクランエントの心の問題を解決するにはどうしたらよいかを研究する学問のことです。 詳しくは、心理査定、心理面接、地域援助、調査研究という4つの領域に大きく分かれます。このうち私たちが患者やクライエントとしてお会いするのは、心理面接がもっとも多いことでしょう。 臨床心理学が対象とする領域が、精神医学や精神病理学とほとんど重なってみえるために、患者やクライエントの中には、これらはすべて同じものだと考えている方も多いと思います。 当たらずといえども遠からず、といったところでしょう。 しかし、いちおう心理学がもともと哲学から始まっていて、精神医学がもともと医学から始まっているために、考え方の原点や、学問自体の成育歴が異なっています。 たとえば、患者やクランエントにほどこす治療技法のことも、臨床心理学の立場では心理療法といい、精神医学の立場では精神療法というなど、細かいところではいろいろ違いがあります。 けれども、一人のクライエントとして治療を受ける立場ならば、そんな細かいことはいちいち考える必要はなく、目の前にいる治療者を信頼できるかどうかのほうがはるかに大切であることでしょう。 それに、昔にあったような、両者の臨床における考え方の違いは、こんにちでは年々小さくなっているようにも見受けられます。 日本には、臨床心理学を学問的基盤とする心理職専門家資格に臨床心理士があり、アメリカにはCSPP(米国臨床心理士)があります。日本でCSPPの資格を取ることもできます。 |