麻薬 |
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麻薬(まやく / narcotic)とは、薬学や薬理学の用語ではなく法律用語であり、法で定められた阿片(あへん)以外の非合法薬物を指します。言いかえれば、大麻(マリファナ)や阿片のように、「麻薬」という名の薬物が一つ存在するわけではありません。 国際的には、国際麻薬三条約によって規定されている薬物をいいます。 日本では、麻薬は、薬物四法のうちの一つ、麻薬及び向精神薬取締法という法律によって規定されており、ヘロイン、コカイン、LSD、MDMA、MDEA、マジックマッシュルームなどが含まれます。 モルヒネのように、医療でも限定的に使用される薬物も含まれていますが、深刻な害を公衆衛生に及ぼす危険性がある薬物が指定されています。 一方では、まだそこに指定されていない、いわゆる合法ドラッグや脱法ドラッグが次々と開発され、今度はそれを麻薬に含めるために法律が改正される、といったイタチごっこが続いています。 薬物依存が社会問題であるかぎり、おそらくこのイタチごっこは続くことでしょう。 歴史をさかのぼると、かつて麻薬(narcotic)という語は、阿片を含め、眠りをさそう作用があると当時考えられていた薬物を意味していました。しかし当時の認識は、いまの科学からすると正しくないことが往々にしてあります。 世界的なネットワークを持つ、薬物依存症者のための自助グループNA(Narcotics Anonymous)は、この麻薬(narcotic)という語から名称を採っています。 |