モノアミン仮説 |
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モノアミン仮説とは、うつ状態はセロトニンやノルアドレナリンなどのモノアミン神経伝達物質の低下によって起こる、とした仮説のことです。今日、処方されている抗うつ薬のほとんどは、このモノアミン仮説に基づいて作られています。 しかし、生きている人間の脳そのものの神経伝達物質の動きは見ることができませんから、鬱状態の脳の中の様子は明らかにできないため、これはあくまでも仮説にとどまっています。 もし本当にシナプス間隙のノルアドレナリンやセロトニンの低下がうつ病の原因であるとすれば、抗うつ薬はすぐに効き始めるはずなのに、じっさいはそういった薬を飲み始めて2週間ぐらい経たないと鬱は良くならないことから、この仮説はまちがっていると主張している人々もいます。SSRIやSNRIが長期にわたって鬱に苦しむ人にはそれほど効果がないという事実が、これらの主張を後押しするかたちとなっています。 |